ACTION REPORT

言葉の指示で映像を「着まわす」- 新しい環境映像システム、開発ストーリー

公開: 2026.08.31   MON

01


オフィスやお店の壁に流れている背景映像。いわゆる「環境映像」って、いつも同じで変わり映えしない……。そんなふうに感じたことはありませんか?

天気や季節ごとに雰囲気を彩れたら理想的。でも、いざ切り替えようとすると費用や打ち合わせの手間がかかり、手軽にはいかないのが現実です。

その日の気分や目的に合わせてパッと雰囲気を変えられる世界へ――。私たちは、言葉の指示で空間の演出を「着まわす」、新しい環境映像システムの開発を進めています。

「あれ、今日のエントランスいつもと違うね」「雨の降り方とマッチして心地いいかも」――。ひとつの映像をきっかけに、そこから新しい会話が生まれるかもしれません。

最先端のデジタル技術を持つワントゥーテンと空間デザインを手掛ける私たち丹青社が資本業務提携を結び、共創しているプロジェクトです。

目指すは「プログラミング知識ゼロ」で操る環境映像

  • 試作機のデモ画面

このプロジェクトのゴールは、専門知識がなくても、誰でも自由に空間を演出できる仕組みを作ること。

商業施設のスタッフやオフィスの総務担当者など、普段プログラミングに触れない方でも直感的に思い描く空間をかたちにできるように、試作を繰り返し、使いやすさを磨いています。

最も試行錯誤したのが、人のあいまいな感覚をAIにどう理解させ、映像へ反映させるかです。「ゆったり」「雨」といった言葉のニュアンスを汲み取り、思い描く雰囲気に近い映像へ微調整できるようにしています。かつ、具体的に完成形が決まっていなくても、キーワードを入力するだけで「しっくりくる映像」に仕上がるシステムを目指し、検証を重ねています。

さらに、指示は言葉だけにとどまりません。「こんな雰囲気にしたい」という参考画像を1枚読み込ませるだけでも、映像を調整できる仕組みを開発中です。

1つの映像を、何倍もの価値に変える「着まわし」術

  • デモ版サンプル|ベースとなる、岩をモチーフにした映像

通常、環境映像の雰囲気を変えるときは、完成された映像を何本も作って切り替えるのが一般的です。

しかし、今回目指しているのは、まったく違うアプローチ。
まずはベースとなる映像を1本つくる。あとは、季節やイベントに合わせてAIに指示を出し、表情をアレンジする。

毎回費用をかけて新しい映像を作り直すのではなく、洋服をコーディネートする感覚で、1本の映像を何通りにも「着まわす」という発想です。

実際のデモ画面を見てみましょう。
先ほどのベース映像を、朝のさわやかなイメージに着せ替えてみます。 ↓

  • 変化イメージ①「朝のオフィスエントランスに合う、社員が明るく前向きな気持ちで出社できるような、清潔感のあるさわやかな映像にして」

夕方には、もう少し落ち着いた雰囲気に変化させてみます。 ↓

  • 変化イメージ②「夕方になって疲れが出てきたので、少しあたたかみがあって落ち着くアンビエントな映像に切り替えて」

指示ひとつでここまで表情が変わり、アイデア次第で表現はまさに無限大。さまざまなシーンで活躍してくれそうです。

そしてもう一つ、ディスプレイの形を選ばない点も大きな強み。
縦長や横長、特殊な変形モニターにも柔軟に対応し、1本のベース映像をもとに自動で最適なバランスへ調整。画面ぴったりに収まってなめらかに動く独自システムを組み込んでいます。

手軽に、長期間・低コストで運用できるシステムを


  • 使用イメージ

空間デザインにこだわる丹青社と、AIテクノロジーに強みを持つワントゥーテン。「もっとこんな演出もできるのでは」と理想が広がりすぎることもありました。

そんなときに私たちが立ち返ったのは、「現場で手軽に、末永く使ってもらえるシステムを作りたい」というシンプルな原点です。

こうして試行錯誤を重ねてきたプロジェクトは、いよいよ本格的なアプリ開発のフェーズに入りました。

丹青社CMIセンターでは、この開発アプリを実際のオフィスや商業施設で試していただける実証実験パートナーを募集しています。ご質問はもちろん、「まずは情報収集として話を聞いてみたい」というお問い合わせも大歓迎です。

文:CMI 開発メンバー・N

こんな相談、お待ちしています

  • まずは雑談から—「興味があるので話を聞いてみたい」というお問い合わせ歓迎です
  • Mk_3を見てみたい—港南のラボにて、試作機によるデモ投影をご覧いただけます(要事前予約)
  • 一緒につくりたい—共創・実証実験・プロトタイピングのご相談

CMIセンターは、空間体験の価値を最大化・最適化する、丹青社の専門チームです。