3DGS技術で空間そのままアーカイブ目指すは「どこでもデジタルツイン」(1)
公開: 2026.07.31 FRI
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Mk_3でのデモの様子
今ここにある空間を、まるっとそのまま保管できるとしたら、どんなことに使いますか?
近年、注目を集める3D描写手法である3DGS(3D Gaussian Splatting)を用いて、空間のアーカイブ化に挑戦しています。
その場の空気感や雰囲気をそのまま保管することで、まるでその場に存在しているかのように感じられるデジタルツインを目指します。
3DGS(3D Gaussian Splatting)
動画や複数の写真から高品質な3D空間をリアルタイムで描画する最新の3Dスキャン・レンダリング技術。2023年に発表され、従来のNeRFに代わる技術として大きな注目を集める。最大の特徴は、空間を数百万個の「不透明度や色を持つ光る楕円体(ガウシアン)」の集まりとして表現する点。
3DGSを活用することで、より手軽に、きれいに、自由視点で閲覧可能な空間アーカイブが可能になります。
《3DGSによる空間アーカイブ 3つのポイント》
- ❶手軽! 大掛かりな機材の搬入や長時間の人流規制なく、撮影が可能
- ➋きれい! 人の目で見た感覚と同様の、リアルな質感を再現
- ❸自由視点 現地を実際に歩いているように滑らかな視点移動が可能
すみだ北斎美術館で検証を実施
早速、墨田区のすみだ北斎美術館にご協力いただき、企画展示室の3DGSデータを作成しました。ハンディタイプのスキャナーを使用し、準備・片付けや予備用の撮影も含め、5時間程度の撮影となりました。(本番用データの撮影時間は30分程度)
出来上がったデータは、丹青社オリジナルのビューア(ブラウザ使用)で閲覧。想像以上にきれいで正確な空間描写と、自由な動き(展示室内を実際に歩いているように滑らかな視点移動)に感激しました。
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(撮影協力:すみだ北斎美術館)
一方で、一つひとつの美術品やキャプションについては、細かい文字の判別までは難しく、美術館のアーカイブとしては非常に重要な要素である精緻な再現に課題が残っています。
ひとまずはビューア側で写真やテキストを使って情報を補完し、「よりその場にいるような鑑賞体験」のつくり方については今後の課題として検討を進めていくこととします。
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(撮影協力:すみだ北斎美術館)
今後の展開
空間のアーカイブを必要としているのは美術館や博物館だけではなく、発想次第であらゆる業種・業態の施設で活用が可能になると考えています。
例えば、商業施設ではイベント装飾やVMDを保存して後から見返して参考にしたり、エンタメ施設では空間データそのものをお土産として販売したり、可能性は無限大です。
人々の想いが詰まった大切な空間を、より良く残し、伝えていくために、技術の研究と並行して活用方法の検討を進めてまいります。
文:CMI 開発メンバー・S