
01はじめに
CMIセンターは、展示分野で培ってきたAVシステムや演出・体験装置の実装ノウハウを核に、「空間」というクロスメディアの新しい表現や体験を具現化する専門部隊として、2017年に20数名のメンバーで設立されました。当時は「モノ消費」から「コト消費」へのシフトが進み、異分野のメディアアーティストが空間づくりに新しい視点をもたらしはじめていた時代であり、この追い風を受けて演出・体験分野で少しずつ成果を積み重ねることで、多方面からお声がけいただける存在へと成長していきました。
本格的に忙しくなり始めた2019年、コロナ禍によるパンデミックが発生し、多くの仕事が停滞しました。しかし、この時期に高まった非接触のニーズは、結果として空間を彩り操る様々なテクノロジーの進化を加速させ、実空間における体験創造へのテクノロジー導入が、大きく広がるきっかけとなりました。時代は「コト消費」から「トキ消費」へ、実空間は単なる機能的な場から「その時・その場でしか得られない体験」を提供することが重視されるようになり、お客様のニーズも、インテリアデザインからそこで展開される体験コンテンツの企画・制作へと広がりました。CMIセンターは、この空間体験づくりへのニーズの高まりに対応し、研究開発から実装まで、一貫してその最先端を追求し続けています。
気がつけば、CMIセンターは2026年度に設立10年目を迎えます。空間演出・体験づくりは、今や当社の重要な売り物に成長しました。CMIセンターは、これからも時代の変化を敏感に捉え、進化し続けることで、空間を活用したお客様の様々な事業に貢献してまいりたいと考え、この度私たちCMIセンターの活動を発信・共有するホームページを開設するに至りました。
空間は、時代や社会状況によって、その意味や役割が変化するメディアであることを、私たちはこの10年で経験しました。進化し続けるテクノロジーがその変化を支え、空間体験で表現できることを変え、その価値を拡張、最適化してきました。私たちはこれからも、時代や社会状況に寄り添った空間の意味をデザインし続けるために、空間体験に応用可能なテクノロジーやアイデア、これらのリサーチとプロトタイピングを推し進め発信する=インキュベーションと、それらの成果も活かした実案件への実装=クリエイションを両輪で回すことで、空間体験の新しい意味をデザインする=イノベーションを牽引し続けます。